🗂️ テーマ:お金・税金・社会保険(全 8 ページ・現在地順)
日本の医療機関のかかり方:受診から薬を受け取るまで
日本の医療機関は、クリニックと大病院がはっきり分かれていて、紹介状なしで大病院に行くと余分にお金がかかります。お昼休みに受付が閉まることも。このページでは「受診を決めてから薬を受け取るまで」の流れを順番に整理します。
📅 情報確認:2026 年 9 月軽い症状なら街のクリニックへ。大病院にいきなり行くと、紹介状がない場合に選定療養費を数千円上乗せされます。保険証と在留カードは必携で、自己負担は 30%。診察後にもらう処方箋を持って、薬は病院ではなく薬局で受け取ります(会計も別)。
📋 一覧:どこで何を見るか
| 種類 | 規模 | 向いている症状 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| クリニック / 診療所 | 小規模、医師 1〜数名 | 風邪・発熱・胃腸・皮膚・内科の一般外来 | 専門分野が分かれているので科目選びが重要 |
| 総合病院 / 大学病院 | 大規模、複数科+入院 | 検査機器が必要なもの、手術、複雑な疾患 | 紹介状なしは選定療養費が加算 |
| 救急外来 | 大病院のみ | 外傷、急な激痛、意識障害 | 緊急性がないと断られる+加算あり |
| 薬局 | 独立した店舗 | 処方箋で薬を受け取る | 病院とは別会計 |
* 医療機関・地域によって運用が大きく異なります。実際に行く医療機関の案内が優先です。
🩺 受診を決めてから薬を受け取るまで:7 ステップ
-
クリニックか大病院かを決める
ここで支払額が変わります。日本は機能分担が基本で、クリニックは日常的な疾患、大病院は重症・複雑な疾患を担当します。大病院に直接行き、クリニックで診るべき症例と判断されると選定療養費(約 ¥5,000〜¥7,700、病院により異なる)がかかります。保険は適用されず、現金支払いです。
判断はシンプルに:自分で歩けて、どこが痛いか説明できる → クリニック。数日続く高熱・激痛・外傷・意識がおかしい → 大病院か救急へ。
-
外国人の受診を受け付ける医療機関を探す
すべてのクリニックが外国人を受け入れるわけではありません。判断材料は 3 つ:
- 入口やサイトに「外国人の診療可」の表示がある
- JMIP 認証(外国人患者受入れ医療機関認証)がある —— 大病院に多い
- サイトに多言語対応(英語・中国語・韓国語など)の記載がある
厚生労働省や各都道府県が外国人対応医療機関のリストを公開しています。「外国人 医療機関 検索」+お住まいの地域で見つかります。見つからない場合は区役所の国際交流窓口や国際交流協会に聞くのが早いです(地域のリストを持っています)。
-
予約する(初診は予約制が多い)
日本のクリニックは予約制が主流で、特に初診はその傾向が強いです。飛び込みだと断られたり、長時間待たされたりします。
電話では 3 点を伝えます:「初診です」・主な症状・希望する時間帯。日本語に不安があるなら紙に書いて読み上げる、翻訳アプリの音声機能を使うのも有効です。ネット予約に対応している医療機関もあります。
-
持ち物をそろえる
- 保険証(国民健康保険・勤務先の健康保険)—— 忘れると全額自己負担
- 在留カード —— 受付で求められることがあります
- 現金 —— クレジットカード不可のクリニックは珍しくありません。ここが一番の落とし穴
- 服用中の薬・アレルギーのメモ —— 問診票の記入に必要
- 紹介状(大病院に行く場合、あれば)
-
受付と問診票の記入
まず受付に保険証を出し、問診票を記入します。現在の症状と既往歴を書く用紙で、主な項目は:
- 主訴(いつから、どこがどうつらいか)
- 既往歴(高血圧・糖尿病など)
- 現在服用している薬
- アレルギー歴(特に薬剤アレルギー)
- 喫煙・飲酒の習慣、女性は妊娠の可能性
日本語に自信がなければ「ゆっくり話してください」「漢字で書いてください」と頼んで構いません。中国語話者なら漢字の医療用語はかなり読み取れます。翻訳アプリで症状を先に訳して受付に見せる方法も実用的です。
-
診察 → 会計窓口で支払い
診察室で症状を伝え、終わったら待合に戻り、番号で呼ばれたら会計へ。
保険証を提示した場合、支払いは医療費の 30%(未就学児・70〜74 歳は別の割合)。最初の明細には初診料(再診より高い)+検査費+処置費が並びます。
費用が高額になりそうなら、「限度額適用認定証は使えますか」と確認を。提示すればその場で限度額までの支払いで済み、全額を立て替えて後から還付を受ける手間が省けます。
-
処方箋を持って薬局へ(別会計)
日本の病院は薬を売っていません。医師が渡す処方箋を持って、院外または隣接する薬局で薬を受け取ります。薬代は完全に別会計で、ここでも保険証を提示し、同じく 30% 負担です。
処方箋には有効期限(通常、発行日を含めて 4 日間)があり、過ぎると再受診が必要です。受け取り時にお薬手帳を作ってもらい、毎回持参しましょう。どこの医療機関でも服用中の薬がすぐ把握できます。
💳 国民健康保険はまだ?
保険証がなければ 100% 自己負担になります。加入条件・保険料・減免の手続きはこちら
⏰ 診療時間の勘所
- 一般的な診療時間:9:00〜12:00 と 15:00〜18:00 の 2 部制が多く、昼は受付が閉まります。昼に行くと空振りします。
- 休診日:日曜・祝日はほぼ休み、土曜は午前のみが多数。加えて週に一度の休診日(水曜・木曜が多い)を設けているクリニックも珍しくありません。行く前に必ず確認を。
- 受付終了時刻:受付終了の 30 分前には到着を。11:30 で受付終了というクリニックも多いです。
🚑 夜間・休日の対応
📞 まず電話で相談。直接行くのは後回しに
救急安心センター #7119(多くの地域)と小児救急電話相談 #8000があり、24 時間対応です。オペレーターが「今すぐ救急車」「夜間救急へ」「明日クリニックでよい」を判断してくれます。外国語が必要なときは「外国語対応をお願いします」と伝えましょう。
- 救急車は 119 番。無料ですし、ためらう必要はありません(日本では気軽に呼んでも課金されません)。ただし本当に緊急の人のためのものです。
- 夜間救急(救急外来)は大病院にしかありません。緊急性がないと断られ、さらに時間外診療料が加算されます。
- 休日当番医:地区の医師会が休日の輪番制で診療所を開けています。医師会のサイトや区役所のサイトで当日の当番が確認できます。
⚠️ 言語の壁を我慢しない。自己判断もしない
医療の場では、聞き間違い 1 つの代償が大きくなります。使える手段は 3 つ:① 厚労省の医療通訳アプリ(多言語の問診に対応)、② 大病院には医療通訳者がいる場合があるので予約時に「通訳はお願いできますか」、③ 日本語のできる友人・同僚に同行してもらう。緊急時は「どこが痛い」「いつから」「アレルギー」の 3 点をまず伝え、残りは後から補えば十分です。
💴 費用:30% 以外に気をつけること
- 初診料:同じ医療機関の初回にかかる費用で、再診より高めです。短期間での再診は再診料のみになります。
- 自己負担 30%:保険証提示時の標準的な割合。未就学児・70〜74 歳は別の割合です。
- 高額療養費制度:同じ月の自己負担が上限額(所得区分による)を超えた分は、後から還付を受けられます。ただし自分で申請が必要で、病院は代行してくれません。
- 限度額適用認定証:加入している保険(国保なら区役所)に事前申請する証明書。提示すれば窓口で限度額までの支払いで済み、まとまった金額を立て替えずに済みます。入院や大きな検査の前には取得を強く推奨します。
- 医療費控除:年間の自己負担が一定額を超えると、確定申告で控除を申請できます。領収書はすべて保管しましょう。
📝 受診後のチェックリスト
- お薬手帳を受け取り、毎回持参する
- 領収書をすべて保管(医療費控除に必要)
- 金額が大きい場合、限度額適用認定証が適用されたか確認
- 未適用なら、保険に高額療養費の還付を申請
- 次回の予約をその場で取る(再診も予約制のことが多い)
❓ よくある質問
保険証がなくても受診できますか
できますが100% 自己負担で、通常の 3 倍以上になります。そもそも正当な理由なく国民健康保険に加入しないのは違法です。保険証を再発行中の場合は、加入が分かる書類を持参して受付で説明しましょう。
大病院に直接行ってもいいですか
可能ですが、クリニックで診るべき症例と判断されると選定療養費(約 ¥5,000〜¥7,700、病院により異なり、保険適用外)がかかります。避けたければクリニックを先に受診し、必要なら紹介状を書いてもらいましょう。紹介状があれば選定療養費が不要なうえ、大病院でも受診が早くなります。
医師の説明が理解できませんでした
まず「書いてください」「もう少しゆっくり」とその場で頼むこと。外国人患者に漢字を書いて説明するのは日本の医師にとって一般的な対応です。次に「もう一度お願いします」も有効です。そして薬局が最高の補習の場です。薬剤師が薬ごとに飲み方と注意点を個別に説明してくれるので、ゆっくり説明してもらうか書き出してもらいましょう。
重くはないけれど不調。受診すべき?
受診してください。日本のクリニックは安く、30% 負担なら一般的な症状で数百円〜2,000 円程度です。我慢して悪化させると、結果的に高くつきます。ただし昼休みと休診日は避けてください。
入院が必要になった場合、費用は?
まず医療機関が限度額適用認定証に対応しているか確認を(対応していれば窓口で限度額までの支払い)。未対応なら、高額な費用は後から高額療養費として還付されますが、いったん立て替える必要があります。入院中は無利子の高額療養費貸付制度も利用できます。手続きは病院の医療ソーシャルワーカー(医療相談室)に相談しましょう。
公式参考: 厚生労働省(医療保険制度)↗ |高額療養費制度 ↗