経営管理ビザ完全ガイド
2025年10月16日から新基準施行:資本金が500万円から3000万円に引き上げられ、常勤職員、日本語能力、経歴・学歴の要件が新設されました。新旧比較、申請条件、必要書類、費用を一括解説します。
📅 本ページの情報は2026年8月時点で確認済み
📋 早見表:新旧基準の比較
| 項目 | 旧基準 | 新基準(2025.10.16起) |
| 資本金 | 500万円以上 | 3000万円以上 |
| 雇用 | 常勤職員の義務なし | 常勤職員1人以上 |
| 日本語能力 | 明確な要件なし | 申請者または常勤職員の少なくとも1人が相当程度の日本語能力(CEFR B2 / JLPT N2相当)を有すること |
| 経歴・学歴 | 明確な要件なし | 経営・管理経験3年以上、または修士・博士・専門職学位 |
| 事業計画書 | 専門家確認の義務なし | 経営の専門知識を有する者の確認が必要 |
| 事業所 | 特別な制限なし | 自宅兼事業所は原則不可 |
旧基準下で既に取得済みの方には経過措置があります(下文参照)。
📌 経営管理ビザとは
- 経営管理ビザは、在留資格「経営・管理」に対応します。日本で会社を設立・経営する外国人、既存事業を管理する外国人、または管理者として雇用される外国人が対象です。
- 在留期間:4か月(準備期間)→ 1年 → 3年 → 5年で、更新が可能です。初回申請は通常1年から始まります。
- 家族の帯同が可能:配偶者や子どもは「家族滞在」の在留資格を申請でき、日本で生活・就学できます。
- 他社での就労は不可:自社の経営・管理活動に限定され、他の有償の労働はできません。
🔔 2025年10月16日の新基準・核心変更点
2025年(令和7年)10月16日、出入国管理及び難民認定法上陸基準省令等の改正が施行されました。核心変更点は以下の5つです。
- 資本金の大幅引上げ:500万円から3000万円に一括引上げ。
- 常勤職員雇用要件の新設:資格を満たす常勤職員1人以上の雇用が必須に。
- 日本語能力要件の新設:申請者本人または常勤職員の少なくとも1人がJLPT N2またはBJT 400点以上等の日本語能力を有すること。
- 経歴・学歴要件の新設:3年以上の経営・管理経験、または修士・博士・専門職学位が必要に。
- 事業計画書の専門家確認義務化:中小企業診断士、税理士、公認会計士等の経営専門知識を有する者の確認が必須に。
💰 資本金と事業規模
- 法人(株式会社等):払込済資本額(資本金)が3000万円以上である必要があります。合同会社・合名会社・合資会社の場合は、出資総額が3000万円以上である必要があります。
- 個人事業主:事業に必要な投資総額(事業所の賃料、1年分の職員賃金、設備投資等の合計)が3000万円以上である必要があります。
- 注意:法人の場合、職員賃金や事務所維持費等を資本金に加算して3000万円の判定をすることはできません——資本金・出資総額のみが対象です。
- 新株予約権(J-KISS等):新株予約権の発行により調達した資金は、条件を満たせば3000万円に算入可能です。
- 複数会社の経営:いずれか1社の資本金が3000万円以上あれば要件を満たします。複数社の資本金を合算することはできません。
👥 常勤職員の雇用要件
- 常勤職員1人以上の雇用が必須です。最低要件を満たせばよく、全員の資料を提出する必要はありません。
- 常勤職員の資格(いずれか):日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者。
- 常勤の定義:年217日以上の出勤、週30時間以上の勤務、入社6か月後に10日以上の年次有給休暇が付与されること、雇用保険の被保険者であること。
- 注意:法別表第一の在留資格を有する者(技術・人文知識・国際業務等の就労ビザ保持者)は、常勤職員としてカウントされません。
- 常勤に算入されない形態:在籍出向、派遣、請負等の形態は、原則として常勤雇用とは認められません。
⚠️ 常勤職員の範囲は雇用要件と日本語要件で異なる場合があります
第5条の雇用要件における常勤職員の資格には就労ビザ保持者は含まれませんが、第6条の日本語能力要件における「常勤職員」の資格範囲には法別表第一の在留資格者が含まれる可能性があります——詳細は最新の公式解釈をご確認ください。
🗣️ 日本語能力要件
- 申請者本人または常勤職員の少なくとも1人が、相当程度の日本語能力(CEFR B2相当)を有している必要があります。
- 証明方法(いずれか1つ):JLPT N2以上合格 / BJT 400点以上 / 日本大学卒業 / 日本高校卒業(義務教育後)/ 中長期在留経験20年以上。
- 日本人・特別永住者:常勤職員として雇用される場合、追加の日本語能力証明は不要です。
- 本条の「常勤職員」の資格範囲に法別表第一の在留資格者が含まれるかどうかは、最新の公式解釈によります。
🎓 経歴・学歴要件
- 以下のいずれかを満たす必要があります:
- ① 経営・管理または申請事業に関連する分野の修士・博士・専門職学位(海外の同等学位を含む)
- ② 3年以上の経営・管理経験(起業準備活動「特定活動」期間を含む)
📄 事業計画書と専門家確認
- 事業計画書は、経営の専門知識を有する者による確認が必須です。
- 施行日時点での対象者:中小企業診断士、税理士、公認会計士。
- 注意:行政書士・弁護士は対象外です。行政書士は官公署の申請書類代行が可能ですが、事業計画書の専門的確認は上記資格者が行う必要があります。
- 計画書は具体性・合理性・実現可能性を備えている必要があり、画一的なテンプレートでは不十分です。
🏢 事業所と事業の継続性
- 事業所:実際に使用可能な事業所を確保する必要があります。自宅兼事業所は原則不可です(住宅住所のみでの会社登録では、独立した事業所の存在を証明するには不十分です)。
- 事業所として認められないもの:月単位の短期賃貸、屋台、バーチャルオフィス等。
事業継続性の判断基準
- 黒字または損益ゼロ → 事業は継続可能であり、原則として更新が認められます。
- 赤字であるが債務超過ではない → 今後1年間の事業計画書と想定収益を提出し、原則として継続可能と認められます。
- 債務超過 → 1年以内の改善見通しと専門家の評価書が必要です。入管の審査判断によります。
⚠️ 長期出国は更新に影響する可能性があります
無断で長期間日本を離れると、経営管理活動の実態が認められず、更新不許可となる可能性があります。原則として、日本で継続的に経営管理活動を行う必要があります。
📑 申請フローと必要書類
国外から申請する一般的なフローは以下の通りです。
- 会社設立・事業所確保・職員雇用:日本での会社登記、事業所の賃貸契約、常勤職員との労働契約締結。
- 事業計画書の作成+専門家確認:計画書を作成し、中小企業診断士・税理士・公認会計士に確認してもらう。
- 在留資格認定証明書(COE)の申請:入管局に申請。審査期間は通常1〜3か月。
- 日本大使館・総領事館でのビザ申請:COE取得後、所在国の日本大使館・総領事館で査証を申請。
- 入国後の在留カード受領:入国時の空港・港で、または入管局で在留カードを受領。
日本国内で他の在留資格を所持している場合は、在留資格変更で経営管理に切り替えることも可能です。これは一般的なルートの一つです。
主な必要書類
- 旅券、写真、在留資格認定証明書交付申請書
- 登記事項証明書・定款(法人)、または事業開始申告書(個人事業主)
- 専門家評価済みの事業計画書
- 直近年度の決算書類(ある場合)
- 事務所の存在証明(賃貸借契約、間取り図、写真等)
- 常勤職員の証明(賃金支払い書類、雇用契約、住民票等)
- 事業規模の証明(貸借対照表、登記事項証明書等)
- 日本語能力の証明(JLPT合格通知書等)
- 経歴の証明(学位記、在職証明等)
- 代表者申告書(管理職として雇用される場合)
上記は一般的な書類です。詳細は入管局の要件および個別審査によります。
💸 費用の概算
| 項目 | 費用(円) | 備考 |
| 在留資格認定証明書(COE)申請 | 無料 | 入管局への申請は無料 |
| 査証(ビザステッカー) | 15,000〜30,000 | 日本大使館・総領事館が徴収 |
| 株式会社設立 | 約 200,000〜250,000 | 登録免許税、定款認証等を含む |
| 合同会社設立 | 約 60,000〜100,000 | 登録免許税が低く、認証不要 |
| 行政書士(任意) | 約 200,000〜400,000 | 申請手続き代行。事務所により異なる |
| 事業計画書の専門家確認(任意) | 約 100,000〜300,000 | 中小企業診断士・税理士・公認会計士 |
| 資本金 | 30,000,000 | 費用ではなく投資元本。実際に払い込む必要があります。 |
注:上記金額は参考値です。実際の費用は異なる場合があります。行政書士・専門家の報酬は事務所により大きく異なります。
🔄 在留期間と更新のポイント
- 在留期間:通常は4か月(準備期間)→ 1年 → 3年 → 5年。更新のたびに、入管局が事業実績を総合的に判断します。
- 経過措置:2025年10月16日以前に経営管理ビザを取得済みの方は、2028年10月16日までの更新申請において、新基準を満たしていないことだけを理由とした不許可は原則行われません。ただし、事業実績の総合的な審査は行われます。
- 更新審査では、労働法令遵守状況、社会保険・雇用保険の加入・納付状況、許認可の取得状況、税金の納付状況が確認されます。
- 重要:新基準を満たしていない方は、経営管理ビザ・高度専門職1号ハ・高度専門職2号から永住を申請できず、高度専門職2号への変更もできません。
❓ よくある質問
Q1: 500万円しかありませんが、経営管理ビザは申請できますか?
2025年10月16日以降の新規申請では、原則として3000万円の資本金が必要です。旧基準で既に取得済みの方は経過措置期間内(2028年10月16日まで)に更新可能ですが、永住申請や高度専門職2号への変更は制限されます。
Q2: 在宅勤務(自宅を事業所とする)はできますか?
原則として不可です。自宅を事業所として兼用することは認められていません。独立した、実際に使用可能な事業所が必要です。月単位の短期賃貸や屋台等も認められません。
Q3: 日本語能力がN2に達していません。申請はできますか?
可能です。日本語能力要件は、N2(または同等能力)を有する常勤職員を雇用することで満たせます——申請者本人または常勤職員の少なくとも1人が該当すればよいです。ただし、本条の「常勤職員」の資格範囲は公式解釈によります。
Q4: 経営管理ビザから永住までどのくらいかかりますか?
原則として10年の在留経歴(うち5年の連続在留)が必要です。日本人または永住者との結婚等には短期化ルートがあります。新基準を満たしていない方は、経営管理ビザから永住を申請できません。
Q5: 他のビザを取得してから、経営管理ビザに変更できますか?
はい。日本国内で就労ビザや留学ビザ等から経営管理への在留資格変更は、一般的なルートの一つです。ただし、事前に会社設立、事業所確保、職員雇用等の準備が必要です。
公式参考:出入国在留管理庁:経営管理ビザの新基準について(PDF)↗
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